カナダ ウェストバンクーバーの炙りマーケットにて、岩手県庁とともに、岩手県農林水産物の輸出力強化・海外への販路拡大を目的とした【いわて和牛試食会 Iwate Wagyu Week】を開催し、 弊社では立案・企画・手配・設営・運営の全てを遂行いたしました。

2025年8月30日 (土)〜9月 6日(土)の期間、炙りマーケットの店舗内にある精肉セクションにて、来店されたお客様に試食のA5いわて牛のリブアイを焼肉スタイルで提供しました。

「岩手県の観光地や新渡戸稲造とカナダとの繋がりについて学べるフライヤー」と「岩手県産ひとめぼれと日本米の炊き方や用途を記載したフライヤー」を作成し、お客様に配布しました。

岩手県出身 新渡戸稲造

今回のフライヤーには、ひとつの大きなテーマが込められています。それはカナダと繋がりが深い新渡戸稲造と彼の著書「武士道」です。

新渡戸稲造が説いた「武士道」の精神は、単なる古い価値観ではなく、今も岩手を含む日本の農業や人々の暮らしに息づいています。岩手県で牛を育てる農家やリンゴ農家の姿を通して、サムライの「義」「勇」「仁」といった徳が、現代の生活に生きていることが分かります。

また彼が晩年を過ごしたカナダにあるUniversity of British Columbia(ブリティッシュコロンビア大学)には彼の記念庭園があり、両国の友情と平和の象徴となっています。

このテーマを通して、武士道の精神が岩手の暮らしやモノ作りに息づく様子と、日加の国際交流を学ぶことができます。

お客様にフライヤーを配布するだけでなく、会話を通じて岩手県の魅力をお伝えしました。多くのお客様は日本に関心をお持ちで、すでに旅行された方や長年日本にお住まいだった方もいらっしゃいました。旅行経験のある方は東京・大阪・京都を訪れているケースが多く、東北や岩手県まで足を運んだ方はまだ少数でしたが、「次の旅行先として検討したい」とのお声をいただきました。

9月6日(土)の達増知事ご視察に際しては、通訳およびご対応を担当いたしました。当日は、達増知事と弊社代表の鈴木よりそばっちキーホルダーなどのノベルティをご来場のお客様へ配布しました。必要に応じて、知事とお客様との交流もサポートさせていただき、ご来店のお客様に岩手県の魅力をより身近に感じていただく機会となりました。

達増知事と弊社代表 鈴木

今回のプロモーションでも、多くのお客様から貴重なご意見をいただきました。

「日本産和牛、あるいはいわて牛を初めて食べた。他のお肉と比べて食感・風味・味が全く違って美味しい」という声をたくさんいただきました。
過去に和牛を食べた経験のある方も、その多くが「神戸和牛」と答えており、カナダではいわて牛はまだ広く認知されていないのが現状です。しかし、炙りマーケットに通うリピーターのお客様の間では少しずつ「いわて牛」が定着しつつあり、その口コミを通じて認知度が広がりつつあることを実感しました。

また「和牛は食べたことはあるが、いわて牛の方が美味しい。なぜだろう」という質問もありました。
カナダでは「和牛」という言葉自体は広く知られていますが、その多くは海外産の交雑種であり、日本産和牛と区別されていないケースがほとんどです。違いについてしっかりと説明し、さらに試食を通して品質の違いを理解いただくことの重要性を改めて感じました。こうした正しい情報発信は、消費者の選択意欲や満足度を高めるだけでなく、日本産和牛のブランド価値や希少性を守ることにもつながります。

一方で、「脂身が強い」と感じるお客様もいらっしゃいました。カナダ市場では赤身の肉を好む方や、脂に対して健康上の懸念を持つ方も多いため、この点への対応は不可欠です。私たちは、和牛は少量でも十分に旨味や風味を楽しめることを伝えるとともに、他の肉と組み合わせて食べるスタイルを提案しました。また、和牛の脂にはオレイン酸が豊富に含まれ、オリーブオイルと同様に健康面でのメリットがあることもご紹介しました。

こうしたお客様の声は、今後の販売戦略において非常に重要です。現地の反応を丁寧に収集し、生産者と共有することで、市場ニーズに合った商品展開を検討できます。現在はA5等級の和牛が中心ですが、将来的にはA4等級や交雑種を含めた幅広いラインナップを展開することで、より多くの消費者層へアプローチできる可能性があります。ただし、現時点では日本側の供給体制などの課題もあり、すぐに実現できるわけではありません。それでも、お客様の率直な声に耳を傾け、それを日本の生産者につなげていくことは、今後の大きな第一歩です。

8日間のフェア期間中、いわて牛カットの売上は前年比約149%と大きく伸びました。特に「試食+期間限定プロモーション価格」の組み合わせが効果的で、実際に味を体験したお客様の購買意欲を高める結果につながりました。さらに、現場で商品の特徴や日本産和牛ならではの違いを説明できる人材がいたことも、大きな成功要因のひとつでした。お客様が疑問をその場で解消でき、安心して購入に結びつけることができたと考えています。

またいわて牛を使った惣菜商品の販売も好調で、牛丼やカレー、おにぎりなどの手軽な商品が人気を集めていました。惣菜は「家庭で調理するよりも気軽に楽しめる」として、初めて和牛を試すお客様にも大変好評でした。

そしてフェア終了後でも、試食をきっかけに後日来店して購入するお客様も見られ、試食体験が即時の販売だけでなく後日の購買行動にも影響していることが分かりました。

これらの結果から、「試食を通じた体験型のプロモーション」「惣菜を通じた手軽な和牛体験」に加え、「現場で説明できる人材の存在」が、カナダ市場でのいわて牛の認知拡大と販売促進に大きく貢献したことが分かりました。

Valuablelink Consulting Inc.は、こだわりの日本産商品や日本文化を、カナダをはじめとする海外の皆様に広める活動を続けていきたいと考えております。

今後ともよろしくお願いいたします。

日本と世界の架け橋となり、日本の魅力を世界へ!

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